日本株は反発へ米製造業活動改善や円安好感-輸出や原油関連に買い 注目の市場動向と戦略


日本株の反発要因

22日の東京株式市場は4営業日ぶりに

反発する見込みとなっています。

背景には米国の製造業活動改善やドル高

円安の進行があり、投資家心理の

改善につながっています。

特に、自動車、電機、機械といった

輸出関連株に見直し買いが入りやすく、

相場全体を押し上げています。


米製造業の改善とその影響

米国の8月の製造業活動を示す指数は、

約3年ぶりの高水準に達しました。

これは供給網の改善や新規受注の増加が

背景にあり、米経済の底堅さを示しています。

この動きを受け、日本株市場では

「米景気は減速懸念が後退した」との見方が

広がり、輸出関連企業の業績期待に

つながっています。


円安進行と輸出関連株

外国為替市場ではドル高・円安が進み、

1ドル=150円台半ばまで下落。

円安は自動車や電子部品メーカーなど、

海外売上比率の高い企業にとって

利益拡大要因となります。

投資家は為替の追い風を織り込み、

これらの銘柄を積極的に買い進める

動きを見せています。


原油高と資源株の動き

米原先物価格は上昇基調を維持しており、

これにより鉱業株や石油・石炭製品関連株も

高くなる見込みです。

資源価格の上昇は一部の企業にとって

コスト増要因にもなりますが、

エネルギー関連株にとっては収益拡大に

つながりやすく、短期的には株価押し上げの

材料となっています。


ジャクソンホール会合の注目点

一方で、投資家は米カンザスシティー連銀が

主催するジャクソンホール会合での

パウエルFRB議長の講演に注目しています。

利下げに関する示唆があるのか、

あるいはデータ次第との従来姿勢を

維持するのかによって、市場の反応は

大きく変わります。

タカ派的な発言なら株安・円安が進む一方、

9月利下げに言及すれば安心感が

広がるでしょう。


今後の日本株見通し

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩

チーフマーケットストラテジストは、

「米製造業の景況感は底堅く、関税の影響も

春先に懸念されたほどではない。

円安とともに日本株にとって好材料だ」と

分析しています。

ただし、8月以降の日本株は急速に

上昇しており、短期的な調整局面も

あり得ると警戒を促しています。


総じて、今回の反発は米景気の底堅さと

円安進行によるものですが、外部要因に

左右されやすい日本市場の特性を考えると、

投資判断には注意が必要です。