日常化した“プロレス技”と不正請求――広島の放課後デイサービス『わたっこクラブ』、行政処分の全貌を追う


児童が「やめて」と叫ぶ中での

プロレス技

広島市内で障がいのある児童を支援する

放課後等デイサービス『わたっこクラブ』

児童に対する衝撃的な不適切行為が

日常的に行われていました。

児童が「やめて」と叫ぶ中、代表者が

プロレス技をかける映像や尻を叩く行為が

報じられ、元職員も「日常的だった」と

証言しています。

施設側は「遊びの中でのコミュニケーション

の一環」と説明していますが、児童の尊厳や

心理的安全を著しく侵害しており、

教育的指導の範囲を超えた行為で

あることは明白です。


不適切行為の具体的な内容

発覚した不適切行為には、以下のものが

あります。

・代表者が児童にプロレス技をかける

・児童の尻を手で叩く

・児童が「やめて」と叫ぶ状況が

 日常的に発生

・元職員の証言:「日常的な経営者の

 コミュニケーションという形で

 子どもにされていた」

これらの行為は、保護者から託された

大切な時間を軽視するものであり、

人格尊重義務違反として行政処分

対象となりました。


各施設への行政処分の詳細

『わたっこクラブ』の行政処分

施設ごとに異なります。

わたっこクラブ(広島市佐伯区)

・指定効力停止:3か月

 (2025年9月1日~11月30日)

・理由:児童への不適切行為

 (人格尊重義務違反)

・内容:事実上の営業停止

わたっこクラブ東観音(広島市西区

・指定取り消し:2025年9月1日付

・理由:常勤管理者を配置していないのに

「常勤」と虚偽申請

・不正請求:約2,700万円

・加算を含む返還請求額:約3,800万円

わたっこクラブ廿日市廿日市市

・指定効力停止:6か月

(2025年9月~2026年2月)

・理由:常勤職員未配置など人員基準違反

・不正請求:約250万円(報道値)


代表者の釈明と問題意識のずれ

綿の華 代表の綿吉護氏は、

「遊びの中での行為で児童に苦痛を

与えるつもりはなかった」「制度の認識が

不十分だった」と説明しています。

しかし、元職員や関係者の証言では

「日常的に行われていた」とされ、

代表者の釈明と現場の実態には

大きな隔たりがあります。

このようなずさんな運営体制は、

児童の安全だけでなく、保護者の信頼を

損なう深刻な問題です。


不正請求と人員基準違反

『わたっこクラブ』では、常勤職員の

未配置や虚偽申請により給付金を不正に

受給していたことが判明しています。

・東観音:常勤管理者が非常勤で

 あるにもかかわらず「常勤」と申請、

 不正請求額約2,700万円

廿日市:常勤職員未配置、人員基準違反で

 給付金請求約250万円

不正請求は制度への信頼を

揺るがす行為であり、行政処分

返還請求が行われています。


保護者と地域への影響

今回の行政処分により、利用児童や

その家族は受け入れ先を変更せざるを

得ない状況になりました。

保護者からは「大切な子どもを安心して

預けられると思っていたのに」と

不安と憤りの声が上がっています。

地域社会においても、福祉サービスの

信頼性が揺らいだことは重大です。


今後求められる再発防止策

・行政の監査体制強化

・保護者・地域との透明性ある情報共有

・職員への研修充実と倫理教育

・第三者通報窓口や外部監査の整備

障がいのある児童が安心して利用できる

施設環境の確保は、社会全体の責任です。


まとめ

『わたっこクラブ』で明らかになったのは、

・不適切行為の常態化

・人員基準違反と虚偽申請

・数千万円規模の不正請求

という三重の違反です。

児童が安心して通える福祉サービスを

確保するため、行政や施設運営者、

保護者が一体となった再発防止策の

構築が強く求められています。