新米価格が高止まりする理由
全国のスーパーや米店では、
新米の販売がスタートしています。
5キロ4730円で販売され、例年より
高値ですが、多くの消費者が
購入しています。
購入者の声を見ると、「高いと思うけど
仕方ない、新しいほうがおいしい」という
理由で新米を選ぶ人が多いことが
分かります。
一方で前年の米を購入する人もおり、
「新米は高いと分かっていたので、
最初から買わなかった」という声も
聞かれます。
全国平均米価格は22日時点で
5キロあたり3579円。
前週より71円上昇し、7週ぶりの
高値となっています。
備蓄米より割高な新米の販売開始が
価格上昇の一因です。
コメ店の現場での動き
横浜の米店では、8銘柄の新米が並びます。
人気銘柄と完売状況
1キロ1560円、5キロ7800円のプレミアム
新米が並ぶ中、5キロ8800円の高知県産
ちゅらひかりはすでに完売しています。
店主の荒金一仁さんは「前年比で
1.5倍くらい高くなりましたが、新米が
一番多く売れています。
去年の米と大きな価格差がないため、
消費者は新米を選びます」と語ります。
消費者の購買心理
常連客の山口伸介さん一家も、
新米を選びました。
選ぶ基準は「味」と「安心」であり、
多少高くても家族の健康や味を
重視しています。
土鍋で炊いた新米に梅干しやおかずを添え、
子どもたちは「おいしい」「おかわり
お願いします！」と笑顔を見せています。
生産現場の二極化
新潟・南魚沼：豊作と収入増
順調です。JAの概算金は60kgあたり
3万円を超え、昨年から約1万3000円アップ
という異例の水準。
農家の廣田大造さんは「予想よりも
上がった、ありがたい」と笑顔を
見せています。
収量も例年より多く、豊作の期待が
高まっています。
宮城・鳴子ダム：水不足による不稔被害
悩まされています。
記録的な渇水が続きました。
田んぼが乾き、稲は細くなり枯れかける
事態も発生しました。
農家の齋藤肇さんは「全滅も覚悟しました」
と語ります。
緊急放流により最低限の水は
確保できましたが、稲には不稔の影響が
出ています。
不稔とは、稲の先端には実が入るものの
下部の実入りが不十分な状態を指します。
水不足や猛暑が原因で、種子が
十分に育たないのです。
齋藤さんは「従来のマニュアルでは
通用しない。
試行錯誤しながらデータを取り、
今後の作り方を見直している」と語ります。
新米と家庭の食卓
新米は家庭の食卓に豊かさをもたらします。
香り高くふっくら炊き上がり、
栄養価も高く、旬の味覚を楽しめます。
消費者は価格より味や安心を重視する傾向が
強く、多少高くても新米を購入する人が
多いのです。
しかし、水不足や猛暑の影響で、
地域によっては収穫量や品質が
不安定になり、価格の二極化が
進んでいます。
今後の米市場と消費者の対応策
政府・自治体の対策
ダムやため池の整備で水資源を確保し、
高温や干ばつに強い新品種を導入する
取り組みが進んでいます。
軽減に役立っています。
消費者側の工夫
ふるさと納税や産地直送米の活用で
安定供給を支援したり、ブレンド米や
備蓄米を利用して節約することも可能です。
米以外の主食を組み合わせ、家計負担を
軽減する工夫も有効です。
まとめ
2025年の新米市場では、5キロ8800円の
コシヒカリが完売するなど、高額でも新米が
売れる傾向が鮮明になっています。
消費者は価格よりも「味」と「安心」を
重視しており、多少高くても旬の新米を
選ぶ心理が背景にあります。
一方で、生産現場は二極化しています。
新潟・南魚沼では豊作と収入増が期待される
一方、宮城・鳴子ダムでは水不足による
不稔被害が農家を悩ませています。
こうした現状は、米の安定供給や農業支援、
消費者の購入行動に大きな影響を与える
要素となっています。
気候変動や異常気象に対応した新しい
農業手法の導入が急務となっており、
今後の米政策や市場動向が注目されます。
消費者としては、味や安心を優先しつつ、
地域の農家を支援する意識を持つことが、
豊かな食文化の維持につながるでしょう。
